僕の大切な大切な花
雨の日も風の日も雪が降ろうとも見守り、護っていこうと決めた花
風に吹かれ、とて気持ちよさそうに揺れていて
僕のことを見てくれなくても
それでいいと思っていた
それでいいはずだと思っていた
それで僕はよかった
君がそばで揺れている
それだけで…………


ある日、花がいなくなった
突然、別れを告げられた
根っこも、花も茎も葉っぱも何もかも
全てをつれて僕の前から消えていった
僕のところに残ったのは花との思い出だけ
誰が連れて行ったのかわからない
わからなくていい
わからないほうがいい
わかりたくない
わかろうとも思わない

花が選んだ道、未来
僕はそれでいいと思った
君が幸せになれるなら
僕はそれがいいと思った
君が笑っていてくれるなら
僕はそれでいいと思っていた
君が僕のことを覚えていてくれるなら
僕はそれがいいと思っていた
僕は傷ついていない
君が幸せで、君を連れて行った人の横で風に吹かれているのなら
僕は傷つかない
僕が傷つくと君も傷つくと思うから
僕は傷ついてはいけない
君を笑顔で送り出したいから

それなら…………



それなら僕の頬を濡らすこの冷たい水は何?
僕の心を締め付け、痛める、この感情は何?

僕にはわからない
わかりたくない

認めてしまったら僕は僕でなくなる気がするから
僕は僕でいなければならない
なぜ?

花が帰ってきたときに僕がいないと駄目だから
花が帰ってこなくても、また花と出会えるとき笑顔で会わないといけないから

帰ってきて欲しい
でも帰ってきて欲しくない
君を縛りたい
でも君を縛りたくない


僕はどうすればいいの?
僕はどうしたいの?
僕はどうして欲しいの?
僕は…………

わからない
わかりたくない

僕ができるのはただ一つ


君をずっと待ってる


笑顔の仮面を被り続けながら……

君が帰ってこなくても
僕は仮面を被り続ける
ずっとこの場所で







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